単一独歩

ひとりあるきつづけるただそれだけ

amazarashi 無題

僕はこの曲を聴くたびに思うことがある。

いつか有名になってたくさんの絵を売ろう。

いつか好きな人の絵を描こう。

これはそんな "いつか” を夢見た絵描きの話。

 

僕は絵を描くのがなによりも好きだ。

どんなに揶揄されても、どんなに罵倒されても。

 

でも

ときどき思うことがある。

 

”なぜ僕は絵を描いているんだろう”

”何に対して絵を描き続けているのだろう”

 

そんなとき一つの曲と出会った。

amazarashi "無題"

youtu.be

 

内容はこうだ。

 

「ある絵描きがいた。その絵描きは幼いころから絵を描くことが好きだった。彼の絵を褒めてくれるのは彼女ただ一人。でもそれでよかった。ある日、一枚の絵が売れた。

それを機に一枚、また一枚と絵が売れていき絵描きの人生は急変する。

絵描きはもっともっとと欲するようになった。そして一枚の絵が完成した。

 

悍ましく、醜い人が人として生きる儚い絵。

それ以降、人は彼から離れていった。

”無能” ”愚か” たくさんの罵声が彼に襲い掛かる。

たったひとりの理解者も彼の変わりように涙し、去っていった。

 

僕は何の、誰のために絵を描いていた?」

 

 

この曲を今でも聴く。

その度に涙する。

自分のために描いてるはずなのに

そこには自分がいない。

 

ではなぜ絵を描く。

気づけば季節は巡り自分の手は皺が増えてきた。

 

まだ答えは出せないが

僕は今日も絵を描いている。