amazarashi 無題
僕はこの曲を聴くたびに思うことがある。
いつか有名になってたくさんの絵を売ろう。
いつか好きな人の絵を描こう。
これはそんな "いつか” を夢見た絵描きの話。
僕は絵を描くのがなによりも好きだ。
どんなに揶揄されても、どんなに罵倒されても。
でも
ときどき思うことがある。
”なぜ僕は絵を描いているんだろう”
”何に対して絵を描き続けているのだろう”
そんなとき一つの曲と出会った。
amazarashi "無題"
内容はこうだ。
「ある絵描きがいた。その絵描きは幼いころから絵を描くことが好きだった。彼の絵を褒めてくれるのは彼女ただ一人。でもそれでよかった。ある日、一枚の絵が売れた。
それを機に一枚、また一枚と絵が売れていき絵描きの人生は急変する。
絵描きはもっともっとと欲するようになった。そして一枚の絵が完成した。
悍ましく、醜い人が人として生きる儚い絵。
それ以降、人は彼から離れていった。
”無能” ”愚か” たくさんの罵声が彼に襲い掛かる。
たったひとりの理解者も彼の変わりように涙し、去っていった。
僕は何の、誰のために絵を描いていた?」
この曲を今でも聴く。
その度に涙する。
自分のために描いてるはずなのに
そこには自分がいない。
ではなぜ絵を描く。
気づけば季節は巡り自分の手は皺が増えてきた。
まだ答えは出せないが
僕は今日も絵を描いている。